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    2017年05月22日 更新

    転職活動のサポート役! 「失業保険制度」について解説

     会社を辞める際、資金面の補填として利用できる制度はいくつか存在する。その中でも「失業保険」は、転職しようかと迷っている、またすでに退職し転職活動の準備を進めている方にとって非常に役に立つ制度である。そこで本記事では、失業保険制度の内容を押さえつつ、失業保険手当を受給するまでの手順や受給額、受給期間などについて解説する。

    目次

    • 退職後に受け取る失業保険とは
    • 失業保険の受給資格には本人の働く意思と能力、雇用保険の加入期間が必要
    • 失業保険の手続きはハローワークで
    • 失業保険の受給資格と受給期間
    • 失業保険の受給額を計算する方法

    退職後に受け取る失業保険とは

    失業者が再就職するまで国が生活資金を給付する制度

     失業保険の正式名称は「雇用保険の失業給付」で、雇用保険の中にある制度の1つを指す。失業保険は失業者に対して国が生活資金を援助する制度であり、ライフラインを確保する役割を果たしている退職者に対して自動的に支払われるものではなく、受給条件を満たした上で所定の手続きが必要だ。ここではまず、失業保険を受け取るための手順を紹介する。 

    失業保険の受給資格には本人の働く意思と能力、雇用保険の加入期間が必要

     失業保険には、以下で示したように大きくわけて2つの受給条件が課せられている

    失業保険の受給条件

    • ①本人の働く意思と能力
    • ②雇用保険の加入期間
     ①の「本人の働く意思と能力」は、就職したいという意思があり、積極的に就職活動を行っていること、就職できる能力、環境、健康を持ち合わせていることを指す。
    この規定は、ケガや病気、妊娠や出産、学校や資格の取得といった理由で一時的に働くことができない人は失業状態とみなされず、失業保険が給付されないという条件を示している。

     ここで押さえておきたいのは、失業保険とは退職した者に支払われるのではなく、就職活動を行っているにも関わらず就職先が見つからない者に対して支給されるものであるということだ。
      
     ②の「雇用保険の加入期間」については、在職中に雇用保険に加入していた上で、離職日からさかのぼり2年間の内に被保険期間(保険に加入していた期間)が合計で12ヵ月以上あることが条件である。

    失業保険の手続きはハローワークで

       上記の2つの条件に当てはまり、かつハローワークで手続きをすることで初めて失業保険を受け取ることができる。ここでは実際に、失業保険を受け取るためにハローワークで行なう手続きについて説明する。

    失業保険を受給するまでのステップ

    • ステップ① 離職票と求職申請書を窓口へ提出
    • ステップ② 雇用保険受給説明会に参加
    • ステップ③ 3~4週間に一度の面談と書類申請

    失業保険の受給に必要な準備を行なう

     失業保険を受け取るには、ハローワークで求職登録を申請する必要がある。申請後は雇用保険受給説明会に参加し、面談を受けることで初めて失業保険の給付へと進むことができる。

    ステップ① 離職票と求職申請書を窓口へ提出

     まずハローワークに着いたら、求職申請書に希望の就職先を記載し、退職した会社から配布された離職票と一緒に窓口に提出する。この申請が完了次第、失業保険の受給資格が認定される。申請終了後は、雇用保険受給資格者のしおりを受け取り、初日の手続きは終わりである。

     「離職票」には離職理由が記載されいるのだか、事業主が記入した離職理由と離職者本人の離職理由が一致していなければならないため、確認することを心がけたい。

    求職登録に必要な6点

    • ① 離職票
      ② 雇用保険被保険者証
      ③ 身分証明証(パスポート、運転免許証など)
      ④ 印鑑
      ⑤ 写真二枚(縦3cm×横2.5cm)
      ⑥ 銀行預金通帳

    ステップ② 雇用保険受給説明会に参加

     初日の手続きを終え「雇用保険受給資格者のしおり」を受け取った後は、「雇用保険説明会」の日程・時間帯が知らされる。ここで注意しておきたいのは、失業保険を受け取るには雇用保険説明会への参加が必須であるということだ。

     また、この説明会ではハローワークの利用方法や失業保険を受け取るための詳しい説明がされ、「求職活動計画書」「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」という3つの書類が配布される。これらは3~4週間に一度の面談や、書類申請の際に必要であるため、説明会後は書類を受け取ったことを必ず確認していただきたい。

    ステップ③ 3~4週に一度の面談と書類申請 

     説明会後、第1回目の失業認定日が知らされ、「実際に就職活動を行っていること」「失業中であること」を証明する書類の申請と面談を行なう。失業状態であることが認定されると、数日後に銀行口座へ失業保険が振り込まる。失業保険の給付は一括ではなく、失業認定がされた際に都度支払われる。

    失業認定申告書の注意点

     失業認定申告書は、前の失業認定日から4週間の求職状況、就職活動について記載する書類である。間違ってもこの書類に偽った情報を書いてはいけない。もし不正が発覚した場合は不正受給とみなされ、処分を受けることになってしまい転職活動どころではなくなるそのため、申請する際は注意して記入していただきたい。

    手続きした日から7日間は失業保険が受け取れない

     どんな人であろうとも、手続き後7日間は失業保険を受け取ることはできない。これは申請者が失業保険を受給するに値するかを審査する待機期間である。もしこの期間中に失業者が就職したり、失業状態であることが認められなくなった場合、失業保険の受給は取り消しとなる。この場合、失業保険だけでなく再就職手当といった雇用保険制度も適用外となる。

    失業保険の受給資格と受給期間

    受給期間は退職理由で異なる

     事業主からリストラを命じられて会社を去るケースと、自ら新しいキャリアアップのため会社を退職するケースでは退職理由が異なる。そして、失業保険の受給期間はこうした退職理由によって変動し、大きく3種の受給資格者に分けられる。それぞれの受給資格者を受給期間と比較しながら見ていこう。

    一般資格受給者

     まず、「一般資格受給者」の退職理由は「自己都合」に該当し、本人が失業状態になることがある程度予想できているとみなされる。ハロワ―ワークインターネットサービスによると被保険期間が10年未満で受給期間が90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日となっている。(受給期間は基本的に90日~360日の間で決められる)

    特定受給資格者及び特定理由離職者

     会社から解雇やリストラにより退職を余儀なくされる「会社都合」退職者が、この特定受給資格者、また特定理由離職者に分類される。この場合、失業状態になることが予想できず、再就職にあたって準備や時間を要することから、「一般資格受給者」とは受給期間が異なる。

     「一般資格受給者」のケースでは、被保険期間が20年以上の場合、受給期間限度は150日である。今回の「特定受給資格者及び特定理由離職者」では、被保険期間が20年以上の場合200日を超える。それだけ、「会社都合」で退職した場合、再就職に対する支援が必要だということが考えられる。

    就職困難者

     「就職困難者」とは、精神障がい者、知的障がい者、身体障がい者、保護観察が必要な者、社会的事情により就職が著しく阻害されている者などを指す。「一般資格受給者」「特定受給資格者及び特定理由離職者」のいずれのケースとも受給期間は異なってくる。また、下のグラフにあるように、45歳以上65歳未満、かつ被保険期間が1年以上の場合、受給期間が360日と長期間になる。

    「特定理由離職者」は最大3年間の受給期間延長が可能

     失業保険の受給期間は原則として離職日の翌日から1年間となっているが、妊娠・出産、育児、介護など、特別な理由から30日以上働くことができない場合は「特定理由離職者」とみなされ、最大3年間の受給期間延長ができる。

      下記で、「失業保険の受給期間延長が認めらる特別な事情」のケースについて解説する。

    失業保険の受給期間延長が認められるケース

    • 妊娠・出産・育児
    • 大きなケガ、病気
    • 親族の介護
    • 小学校就学前の子どものお世話
    • 配偶者の海外勤務への同伴
    • 60歳以上の定年退職者

    状況に応じて受給期間延長を活用するといい

     このように、受給期間の延長が認められるケースは復数存在する。とくに、妊娠や出産は長い期間を要するため、再就職の可能性を見据え、受給期間延長を視野に入れておくといいだろう。

    失業保険の受給額を計算する方法

    「賃金日額」を計算する

     失業保険の給付額は退職する前の6ヵ月の賃金をもとに計算される。そのため、1日の賃金を求めるには「退職前6ヵ月間の賃金合計を180で割る」ということになる。計算式は「賃金日額=6ヵ月の賃金総額÷180」となる。例えば、6月ヵ月間の賃金の合計が144万円とすると、計算式は以下のようになる。

        ・「1,440,000÷180=8000」

    厚生労働省発表の計算式に当てはめる

     上記で算出した賃金日額に規定されている給付率をかけると、失業保険の給付額である基本手当日額を求めることができる。そして2016年8月時点の給付率に当てはめると、計算式は以下のようになる。
      
        ・{(-3×賃金日額×賃金日額)+(69,980×賃金日額)÷70,300}=基本手当日額

     先ほど求めた「賃金日額が8000円」のケースでは以下の計算式になる。

        ・{(-3×8,000×8,000)+(69,980×8,000)÷70,300}=5232
     
     よって基本手当日額は5,232円と算出され、その値に受給期間をかけると受給金額の合計を算出することができる。

    ※計算式にある「69,980」や「70,300」という数値は前年度の日本人の平均収入によって変動し、毎年8月頃に発表される。そのため、より正確な基本手当日額を求めるには、毎年発表される給付率を参考にし上記の計算式に当てはめていただきたい。

    最後に

     上記で解説した通り、失業保険を受け取るにはいくつかの手順を踏む必要がある。全体の流れや重要事項を押さえておけば、失業保険を用いて離職後の再就職活動を円滑に進めることが可能だ。現在勤めている仕事を辞め再就職を考えている方や、すでに再就職活動をしている方は、本記事で紹介した「失業保険」のポイントを押さえ、万全の準備で再就職に臨んでいただきたい。