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    2017年05月22日 更新

    キャリアステップを左右する 「人事異動」や「出向」について解説

     「人事異動」や「出向」は、キャリアステップの中で多くの人が通る道である。本記事では「人事異動」や「出向」について、拒否の可否やを辞令が出た際に気をつけるべきことについて解説する。

    目次

    • 人事異動の目的
    • 人事異動はどのように行われるのか
    • 人事異動と出向の違い
    • 人事異動や出向の辞令が出た際に行うべきこと
    • 人事異動や出向は拒否できるのか
    • 人事異動や出向によって転職を考える際にするべきこと

    人事異動の目的

    社員一人ひとりの適材適所を考え、人事異動させる

     人事異動が行われるもっとも大きな理由は、社員一人ひとりを適材適所で成長させることである。例えば、これまでとは異なる部署の仕事を通し新しい視点を得たり、仕事のスキルを幅広く持って成長してもらうという期待を込めて人事異動が行われることが多い。

    会社の成長のために人事異動を行うことも

     人事異動は社員の成長だけでなく、会社全体の成長のためにも行われることがある。人事異動によって、人脈の形成や効率性の向上を図っているのだ。会社の利益から、社員の適材適所を考慮されることも多いだろう。

    人事異動でマンネリ化を防ぐ

     長期間同じ部署で仕事をすると、気の緩みや飽きが生じ、業務に影響が出てしまうことがある。このようなマンネリ化を防ぐためにも人事異動が行われるケースもある。新しい環境を体験してもらうことで、社員一人ひとりを刺激し、業務モチベーションの維持を図るのだ。したがって、人事異動は社員と会社がともに成長できる機会だといえる。

    人事異動はどのように行われるのか

    人事異動は決算の時期に多い

     人事異動は、会社の決算時期に行われることが多い。具体的に、2月や3月、あるいは9月や10月などだろう。また、人事異動は全社員に公示が行われるが、異動の対象者には公示の1週間〜1ヶ月前に内示されるというのが一般的な流れだ。これは異動のためにある程度の準備期間が必要なためである。

     準備の大まかな内容としては、デスクの移動作業や後任者・取引先などへの挨拶などが挙げられる。公示されてから新しい配属先への移動は少なくとも半月、長くても2ヶ月程度はかかるだろう。

    「人事異動」と「出向」の違い

    出向は人事異動とは違い、配属される会社も変わる

     出向とは、社員との雇用契約が維持された状態で、子会社や関連する会社へ異動することを指す。人事異動は同じ会社の中で部署が異動になることに対し、出向は部署だけでなく所属する会社も変わるのだ。

    出向は決してネガティブではなく、人事異動の一面として扱われる

     従来の「出向」は、出世コースからはずれ、一度出向したら最終的に出向先の会社と雇用契約を結び直すなど「後ろ向きな処遇」として扱われることが多かった。テレビドラマなどの影響もあり一般的にも後ろ向きなイメージとして持たれる出向だが、近年では「前向きな処遇」としてとらえられることも多い。

     人事異動の目的と同じく、「社員一人ひとりの成長」「会社の成長」「マンネリ化を防ぐ」という狙いで出向を命じることが増えているのだ。

    出向先の組織で「マネジメントを通じて成長を図ること」ができる

     出向のメリットは、組織の中でより大きな責任を持って成長ができることである。通常、子会社へ出向する場合はマネジメント業務など、責任のあるポストが与えられることが多い。新しい環境を体験できるだけでなく、何らかのマネジメントを経験した上で、元の会社に戻ってより大きな仕事ができるようになるのだ。

     ただし、出向先の会社環境への適応や新しい人間関係の構築など、業務外の負担も大きいため注意が必要だろう。

    人事異動や出向の辞令が出た際に行うべきこと

    人事異動の公示が出るまでは口外を控える

     人事異動の内示が出ても、声高に異動を口外するのは避けるべきである。昇進や栄転などの場合は自慢に聞こえてしまい、人間関係にも影響が出てしまいかねないからだ。

     人事異動に関する開示の可否は会社によって異なるが、混乱を招くおそれがある場合などを考慮し、口外するのは普段からお世話になっている同僚や身近な上司などにとどめておくのが無難だろう。

    人事異動の公示が出たら、挨拶回りを行う

     人事異動が公示されたら、部署内だけでなく、取引先に対して異動する旨を伝える挨拶回りを行う。挨拶回りを行う前には、必ず上司に流れや段取りを確認しておくべきである。これは異動にともない、上司が前もって着任日や引き継ぎといった段取りを決める場合があるためだ。確認をせずに勝手に引き継ぎを行ってしまうと、かえって上司に負担をかけてしまうので注意が必要である。

     取引先への挨拶回りは、取引先の企業に直接出向いて行うことが望ましい。このときに、後任者を同伴させるとより丁寧である上、引き継ぎもスムーズに行いやすくなるだろう。どうしても直接出向けない場合は、メールでの挨拶で済ませる方法もある。

    <人事異動の挨拶メールの文例>
    ———————————————
    件名:異動のご挨拶

    株式会社〇〇
    〇〇様

    お世話になっております。
    株式会社〇〇の〇〇でございます。

    私事ですが、異動のご挨拶のためメールいたしました。
    ◯月◯日付で第一営業部への異動が決まりましたため、ご一報申しあげます。

    本社営業部在任中は、公私ともに大変お世話になり
    誠にありがとうございました。

    ◯月より◯◯が後任として参ります。
    万全の引き継ぎをいたしますので、何卒よろしくお願いいたします。

    本来であれば伺うべきところ、メールにて恐縮ですがご挨拶申しあげます。

    (署名)
    ———————————————

    人事異動の挨拶メールのポイント

    • 感謝の言葉を2〜3行ほど入れる
    • 後任者の名前を必ず記載する
    • 最後に会社への引き続きのさらなる支援をお願いした上で、「本来であれば伺うべきところ、メールにて失礼ながらご挨拶申しあげます。」などで締める

    後任者のために「引き継ぎ書」を作成する

     人事異動が確定した後は、後任への引き継ぎ作業を行う。この際、「大事な情報をいかに簡潔にまとめるか」が重要である。引き継ぎ書の情報量が多すぎると、どこが重要であるかがわかりにくくなってしまうためだ。

     引き継ぎ書の内容は、「業務の手順」「業務の発端や目的」「全体スケジュールと進捗状況」といった一般的な内容に加え、「自分のが取り付けた約束の内容」「業務の関与者」「ヒアリング事項」など、引き継ぎミスがないように具体的にまとめておくといいだろう。

    異動先に着任したら、新たに自己紹介と挨拶回りを行う

     異動をしたら、まずは配属先の部署と新規の取引先に対して着任の挨拶を行う。社内で自己紹介を行う場合は前の部署と名前のみで済ませてもいいが、社外向けに挨拶メールを送る場合は文面に注意しなければならない。

     異動での挨拶と同様に、自らが新しい後任者として直接取引先の会社に出向くこともあるが、着任のメールを送ったら改めて直接出向くことがマナーだ。その日程の調整は着任のメール内で行うといいだろう。

    <着任の挨拶メールの文例>
    ————————————————
    件名:着任のご挨拶

    株式会社〇〇
    ◯◯様

    はじめてご連絡いたします。
    株式会社〇〇 営業部の〇〇と申します。

    先日、前任の◯◯からご連絡しましたとおり、今後は私が業務を引き継ぐことになりました。
    よろしくお願いいたします。

    僭越ながら簡単な自己紹介を記載させていただきます。
    新卒で入社し5年間、営業部にてメーカーのお客様を担当してまいりました。


    至らないこともあるかと存じますが、一日も早くお役に立てるよう努めます。

    できるだけご迷惑をおかけしないよう、
    しばらくは弊社◯◯がフォローに入りますので、ご了承くださいませ。

    早速ですが、○月末までにご挨拶に伺いたく存じます。
    恐れ入りますが、ご都合のよい日時の候補を2~3ついただけますと幸いです。

    前任の◯◯同様、ご指導くださいますようお願いいたします。
    メールにて恐縮ですが、取り急ぎご挨拶申しあげます。

    (署名)
    ——————————————————

    人事異動の着任挨拶メールのポイント

    • 挨拶のあと、簡単に2〜3行ほど自己紹介をする
    • 慣れない環境とはいえ、不安にさせないためにも上司のフォローがある旨を伝えることで万全の体制をであることをアピールする
    • 着任のメールを送ったあとは直接出向いて挨拶をする。そのための日程調整をメール上で促す

    人事異動や出向は拒否できるのか

    就業規則によっては「命令」となることがある。

     就業規則で「業務の都合により、配置転換や転勤を命じることがある」といった規定があれば、人事異動は業務命令として扱われるため、基本的に拒否をすることはできない。

     ただし、①勤務地や業務内容など、入社時の雇用契約と相違がある、②家庭などの私生活に著しく影響する、③嫌がらせなど、明らかに不当な人事異動など、やむを得ない正当な理由があれば辞令を拒否することができる。万が一受け入れが難しい場合は内示が出た段階で上司に相談してみるといいだろう。

    人事異動や出向によって転職を考える際にするべきこと

    人事異動を望まない場合、転職という選択肢も存在する

     人事異動は基本的に社員の成長を考慮して行われることが多いが、業務内容や勤務地によっては本人が望まない場合もあるだろう。異動が望ましくないことを理由に現在の会社を退職すること自体は問題なく、転職をすることで自分の望んだキャリアを実現させるという選択肢ももちろん存在する。

     ただ、実際に異動をしたところ転職の意思が薄れたり、業務への意欲が増すことも考えられる。そのため、異動をして最初の1ヶ月ほどは様子を見るなどし、転職をするかどうかを決断する猶予を設けるといいだろう。

    退職をする際も、しっかりと段取りを踏まなければならない

     望まない異動を命じられた際に転職を考える人もいると思うが、すぐに退職することはできないケースが多い。ほとんどの会社の就業規則で、退職は少なくとも1ヶ月前後までに申し出ることが定められているからだ。このことから、転職という選択肢を選んだ場合も、就業規則により人事異動を受け入れる、もしくはそれに準じた対応を行なう必要があると考えられる。

     退職を決断する場合も有給休暇の消化や挨拶回り、引き継ぎなどの作業が生じるため、辞令直後に勢いで退職を決めてしまうことは避けるべきだ。もし退職をする際は、通常通り最低限のマナーを守り、退職に必要な段取りをしっかりと踏むことを心がけたい。 

    最後に 

     会社に勤めていれば、人事異動や出向は誰にも起こり得る。慣れた環境が変わってしまうため最初は戸惑うこともあるが、「自分も会社も成長できる」という人事異動の本来の目的をポジティブにとらえれば、心の余裕を持てるだろう。しっかりと段取りを踏みスムーズな異動を行い、キャリアアップのきっかけとしていただきたい。