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3分でわかる転職業界研究 「人工知能(AI)」編 アイキャッチ画像

    2017年05月01日 更新

    3分でわかる転職業界研究 「人工知能(AI)」編

     転職活動を成功させるためには、志望業界に関する知識を深めることが重要である。また、面接に臨む上で志望業界の最新動向や話題のニュースを知っておくことは必須だといえるだろう。 今回は、世間的にも注目が集まっている「人工知能(AI)に」ついてわかりやすく紹介する。

    目次

    • AIの基礎情報
    • AI業界の最新動向
    • AI業界の注目ワードをチェック

    「AI」の基礎情報

    ビックデータの普及でAIの活用領域は大きく広がる

     人工知能(以下AIと呼ぶ)とは、学習・推論・認識といった、人間が担っている知的作業をコンピュータ上で行う技術のことを指す。「AI」という言葉は、「Artificial Intelligence」の略称で、1956年に米ダートマス大学で開かれた共同研究会で生まれた。

     AIは1960年代に「第一次AIブーム」、1980年代に「第二次AIブーム」が発生している。しかしいずれのブームでも、プログラミングなどに起因する「決められた枠内」の課題を解決することしかできなかったために、本来の実力が理解されぬままブームの発生と衰退を繰り返してきた。

     しかし2010年代以降、ビッグデータから自分で物事を分析する「ディープラーニング(深層学習)」という技術が登場したことでAI自体の能力が飛躍的に向上し、実用レベルやAI技術の活用領域が大きく広がった。現在、飛躍的な能力向上によって「第三次AIブーム」が発生し、これまでになかった急速な技術向上・市場拡大を成長を続けている。

    AIはさまざまな職業を代替する可能性をもつ

     現在、AI研究は対話や自然言語処理、画像認識、ビッグデータ解析などの分野で応用が進んでおり、特別なスキルが必ずしも必要ではない事務作業や、データの分析や体系的な操作が求められる経理・会計などはAIによる代替の可能性が高まるといわれている。具体的な数字としては、「10〜20年後には日本の労働人口の49%が就いている職業で代替が可能になる」と推計されている。

    AI業界の最新動向

    各業界でAI技術者を増やす動きが活発に

     AIの性能向上には膨大なデータが不可欠であることから、学習用データを保有する企業と先端的なAI技術を持つ企業の提携が相次いでいる。また、AI需要の高まりにともない、著名なAI研究者を獲得する動きがさまざまな分野で活発になっている。

    業界規模は数十倍以上に急成長すると推測

     EY総合研究所の研究によれば、2015年の業界規模は3兆7,450億円である。しかし、急速に進む企業の連携で活用分野が広がり、2020年に22兆638億円、2030年度には86兆9,620億円にまで膨らむと試算されている。

    2017年 AI業界の今後をチェック

    • 業界規模:3兆7,450億円(2015年、EY総合研究所)
      →2030年度には86兆9,620億円になるという試算も
    • トヨタ自動車は2016年1月、人工知能やロボティクス分野の第一人者であるギル・プラット氏をCEOとして招聘した
    • 理化学研究所は2017年3月に、東芝・NEC・富士通の3社それぞれとAIの共同開発を行うための連携センターを開設した
    • パナソニックは、今後5年でAI技術者を1,000人規模に増やし、IoTとともにAIを推進する戦略を発表した

    AI業界の注目ワードをチェック

    キーワード①:電王戦

     AIの活躍は、囲碁・将棋界にも変化をもたらしている。近年、「将棋電王戦」を中心にAIを搭載したコンピューターソフトとプロの棋士が対戦する機会が増えており、タイトル保持者などトップクラスの棋士にも勝利するなど、業界の内外を問わず話題を生み出している。

     こうしたAIの活躍などによってネット中継が大幅に増えるなど、AIが囲碁や将棋界を活性化させる一助となっているといえる。

    キーワード②:ソーシャルロボット

     ソーシャルロボットとは、人とのコミュニケーションを目的にしたロボットのことを指す。対話エンジンや音声認識エンジンなどのAIが搭載されており、SoftBankの「Pepper」やユニファの園児見守りロボット「MEEBO」など、ソーシャルロボットの実用が進んでいる。サービスロボット業界の詳細な研究については、転職業界研究「サービスロボット・ドローン編」もあわせて参照されたい。

    キーワード③:人工知能スタートアップ

     ディープラーニングなどの技術進展にともない、AIに主軸を置いたスタートアップが急増している。先述のソーシャルロボットに加え、ファッションにおけるレコメンドを提供するサービスや音声を文字認識するサービスなど、さまざまな分野でAIを用いたスタートアップが誕生している。

    キーワード④:ロボット記者

     AIを活用し、ニュースなどの記事を自動で生成する研究が進んでおり、海外では「ロボット記者」として、AP通信やワシントン・ポストなどですでに実用化されている。

     日本経済新聞社は、2017年1月から「決算サマリー」というサービスを開始した。これは同社と言語理解研究所、東京大学松尾豊特任准教授研究室が共同で開発したもので、上場企業約3600社の決算発表のサマリー記事を自動で生成している。

    中外製薬が25日に発表した2017年1~3月期の連結決算は、純利益が前年同期比27.6%増の185億円となった。売上収益は前年同期比4.6%増の1,254億円、営業利益は前年同期比31.4%増の263億円だった。

     売上収益は、製商品売上高、ロイヤルティ及びその他の営業収入がいずれも伸長し、増加となった。ロイヤルティ及びその他の営業収入は、マイルストン収入等の一時的な収入の増加により、増加となった。

    出典:中外製薬の17年1~3月期、純利益27.6%増185億円 :日本経済新聞




     上記の文章は企業開示サイトで開示された決算公表などをもとに、AIが自動で作成したものである。また、西日本新聞でも、AIが天気予報を自動的に生成するという試みを行い話題を呼んだ。

     おはようございます。今日から新学期がスタートする学校が多いと思います。1月10日の九州北部(福岡県福岡地方)の天気予報は、晴れ時々くもりでしょう。降水確率は午前、午後ともに10%でしょう。傘は持たなくても大丈夫です。

     日中の最高気温は11度、最低気温は6度となる見込みです。前日より最高気温は1度低く、最低気温は4度低いでしょう。平年と比べて最低気温は2度上回り、最高気温は平年並みでしょう。

     風は北西の風後北の風、海上では後北西の風やや強くなるでしょう。日の出は午前7時23分。日の入りは午後5時29分です。

     今日のお出かけには、コートを着ないと寒いでしょう。今夜の夜空は、よく見れば星が現れるかもしれません。

    出典:AIが新聞記事を書いてみた 執筆1秒、でも設定は人間 - 西日本新聞


     上記の文章も、AIがわずか1秒で作成したものである。今後、研究や実用化が進むことで、スポーツ実況や簡単にまとめられたニュース原稿など、活用の幅はさらに拡大するだろう。

    最後に

     2010年代以降の「第三次AIブーム」は、それまでの二つのブームとは大きく異なり技術・市場規模ともに成長を続ける一方である。AIは自動運転やサービスロボットなど、同じく急成長するIoT業界とも深く連動するため、別物の業界として考えることはできないだろう。AI業界を志望する場合は、自動運転を中心にIoT業界に対する知識も備えておきたい。

     AI技術の向上によりさまざまな仕事がAIに代替される可能性があることを考慮すれば、AI業界の動向は志望業種に関わらずチェックしておく必要があるといえるだろう。