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    2017年04月28日 更新

    3分でわかる転職業界研究 「ビッグデータ」編

     転職活動を成功させるためには、志望している業界・職種に関する知識を深めることが重要である。また、面接に臨む上で関連業種の最新動向や話題のニュースを知っておくことは必須だといえるだろう。 今回は、近年その活用法が注目されている「ビッグデータ」について紹介する。
     

    目次

    • ビッグデータの基礎情報
    • ビッグデータ業界の最新動向
    • ビッグデータの活用事例
    • ビッグデータ業界の注目ワードをチェック

    ビッグデータの基礎情報

    一般的に使用されるソフトウェアの能力を超えた大容量かつ多様なデータを扱う仕組み

     従来の管理システムでは記録や保管、分析が困難であった巨大かつ多様なデータのことを「ビッグデータ」と呼ぶ。取り扱うデータの量・種類が多く、またその更新速度が非常に早いことから見過ごされてしまっていたが、近年最新のIT技術を用いることで分析が可能になった。ビッグデータの分析によって、経営戦略の立案、ひいては社会に有用な知見を得るなど、新たな仕組みやシステムを産み出す可能性が高まるとされている。

    最大の特徴は扱うデータの種類が多様であること

     ただ単に大量のデータを処理するだけのシステムは既に存在したいたが、近年ビッグデータという言葉が注目されてきた背景には、多様な種類のデータを処理することができるようになった点が挙げられる。

     ビッグデータが取り扱うデータは、会計・経理などの基幹業務システムから取得できる「構造化データ」だけでなく、文章や動画といった「非構造化データ」も含んでいる。加えて、電子メールなどの「半構造化データ」や、各種センサーからの「発信・通信ログ」といった情報も処理することが可能だ。

     ITサービス各社はウェブサイトの閲覧履歴やECサイトの購買履歴、SNSの投稿文や写真など、絶え間なく増え続けるビッグデータの活用を支援する製品やサービスを提供している。

    ビッグデータ業界の最新動向

    ビッグデータの市場規模は約950億円(2015年)で今後も大幅拡大

     スマートフォンやパソコンなどの情報通信機器に限らず、全てのモノやサービスをインターネットに繋げ、新たな価値を生み出そうとするIoT(Internet of Things)という概念の広がりに同調し、ビッグデータ市場は本格的な広がりを見せている。

     将来的には各IoTデバイスに設置されたセンサーから多様な情報が発信され、現在の数十倍のデータ量がデジタルに飛び交うようになる。データ量の増加にともない、分析精度も相乗的に向上しビッグデータテクノロジーはさらに飛躍的な進歩を遂げるだろう。

     調査会社のIDCが行った調査によると、2015年のビッグデータの市場規模は590億円だと予測されていたが、予測値以上の大幅な上昇傾向を見せ、約950億円までに拡大した。そして現在、IoTの活用に加え、ビッグデータ分析がクラウド経由で行われるようになり需要が急激に高まったため、2020年には日本のビッグデータの市場規模は2,890億円と大きく伸びることが予測されている。これは、世界全体の1.5%を占めるほどの規模に及ぶ。
    (参考:IDC プレスリリース  

    主に金融・製造業がビッグデータ市場の成長を担う

      IDCが発表したレポートでは、金融業(銀行・証券)がビッグデータ市場の半数を占め、次いで製造業(食品・医療・自動車)などが市場拡大の役割を担うとされている。少なくとも2020年までは上記の市場がビッグデータの活用、市場拡大の中心となっていくだろう。

     とくに金融業界各社のビッグデータへの投資は、リスク管理や不正の防止、コンプライアンス順守の活動を中心として、今後も急速に投資を拡大していくことが予測される。

    ビッグデータの活用事例

     大量のデータが管理されている現代社会において、ビックデータの活用が可能になった影響は大きい。金融業のリスク回避や流通業における消費者データの分析だけでなく、製品の稼働状況を監視してアフターサポートに利用したり、道路交通情報を渋滞回避に用いるなど、その利用法は多岐に渡る。ここでは、日本企業におけるビッグデータの活用事例を紹介していく。

    事例1 楽天:レコメンドに加えランキングの更新頻度とジャンルの細分化で売上向上

     レコメンド機能は消費者の購買点数を向上させる役割りを担っているが、楽天はこれに加え更新頻度の短縮とジャンルの細分化を実施することで、大きな成功を収めた。これはビッグデータ分析による、情報感度の向上とジャンルの細分化による売り上げの向上を見越した施策であった。

     事例2 ソフトバンク:スマートフォンの接続率向上

     ソフトバンク社はビッグデータの活用により、顧客満足度の向上に成功した。スマートフォンの位置情報や月間3億件にのぼる接続状況のデータから繋がりにくい地域を特定し、接続状況の改善に着手。現在では接続率の高さで業界1位を獲得するなど、ビッグデータを用いた施策をもとに市場で強みを発揮している。

     上記2社を代表例として挙げたが、ビックデータは単なるトレンドではなく、今後長期的かつ急速に成長していくものとして理解しておこう。

    ビッグデータ業界の注目ワードをチェック

    注目キーワード①:データサイエンティスト

     データサイエンティストとは、ビッグデータからデータ間の相関関係や傾向を見出す専門家のことを指す。膨大かつ多様なデータを構造化しながら整理し、企業がアクションを起こすために必要な情報となるよう、解析結果を導き出す。

     データサイエンティストという職業は、統計知識、ビジネスへの理解、ITの素養など、複数の専門知識を必要とするため人材が大幅に不足している。ウェブサービスやECサイトを運営している会社はもちろん、今後さまざまな企業で需要が高まる職業だといえるだろう。これらの専門知識を持っている人材は、データサイエンティストとしてさらなるキャリアアップが期待できる。

    注目キーワード②:4つのV

     システム構築やサーバー提供に加え、ビッグデータ活用にも強みを持つIBM社がビッグデータに関する4つの要素として「4V」を掲げている。ビッグデータを用いる職種へ転職を考えている人は、必要知識として憶えておきたい。

    #1:Volume(容量)
     ビッグデータの特徴の1つは、その容量の巨大さにある。

    #2:Variety (種類)
     ビッグデータは構造化データだけでなく、テキスト、音声、ビデオ、ログファイル、位置情報、センサ情報など、さまざまな種類の非構造化データも存在する。

    #3:Velocity (頻度・スピード)
     変化の著しい現代の市場環境では、データを用いてリアルタイムに対応することが求められている。

    #4:Value (価値)
     ビッグデータに関わる取り組みは、ビジネス上の価値に繋げることを目的としている。そのためには、戦略的施策に基づいて業務やサービスを一体的に再構成する必要がある。

    注目キーワード③:スモールデータ

     スモールデータとは、データの規模ではなく、洞察の深さを大切にする考え方である。情報量自体が少量でも、その情報を深く考察していくことで価値ある情報を見つけていく。この言葉が注目されるようになった理由として、「スモールデータからはビッグデータでは得られない情報が得られる」「コストがかからない」という点が挙げられる。

    最後に

     ビッグデータ業界は今後も成長が続くと見込まれており、2020年には国内だけでも3,000億円規模の市場となることが予想されている。業界の基礎知識やキーワードをおさえつつ、今後のビッグデータ業界の動きに注目したい。