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    2017年05月01日 更新

    3分でわかる転職業界研究 「3Dプリンター」編

     転職活動を成功させるためには、志望している業界・職種に関する知識を深めることが重要である。また、面接に臨む上で関連業種の最新動向や話題のニュースを知っておくことは必須だといえるだろう。 今回は、さまざまな分野で活用が期待されている「3Dプリンター」について紹介する。

    目次

    • 3Dプリンターの基礎情報
    • 3Dプリンター業界の最新動向
    • 3Dプリンターのさまざまな活用例
    • 3Dプリンター業界の注目ワードをチェック

    3Dプリンターの基礎情報

     3Dプリンターとは、3次元CADデータをもとに、樹脂などの素材を加工して立体造形物を作る装置のことを指す。これまでのプリンターは文字や図形といったをデジタルデータに基づいて印刷していた。これに対し、3Dプリンターは素材を何層にも重ね合わせることで、デジタルデータを立体的な造形物として造り出すことを可能とした。高度な造形物の製造が可能となったことで、歯科技工物や人口骨の製造など、医療分野での技術応用が拡大している。

    3Dプリンターで使用される「CAD」とは

     CADは「Computer Aided Design」の略で、工業製品や建築物などの設計・製図をコンピュータを用いて行うこと、またそのためのソフトウェアを指す。専用のソフトウェアを用いて、建物の外観や構造、部品・部材の配置、などを作成・編集し、設計図面を生成することができる。紙面で製図する場合に比べ、書き換えなどの変更性や算出速度が高いといったメリットがある。

     また、産業用だけではなく写真やイラストを3Dモデルデータ化し3Dプリンターによって出力するサービスが提供されるなど、一般消費者を対象とした展開も増加している。

    3Dプリンター業界の最新動向

    日本国内でも徐々に動き始める3Dプリンター業界 

     アメリカの調査会社「ウォーラーズ・アソシエイツ」によると、2015年の3Dプリンターの世界市場は前年と比べ約25%増の51億ドルであり、ストラタシスと3Dシステムズの2企業が牽引するという構図に変わりはない。ストラタシスは2016年春に業界初となる36万色以上のフルカラープリンターを発表した。3Dシステムズはチタンやステンレスなどを造形する金属3Dプリンターを販売ラインに加えている。

     日本では2015年にリコーが参入し、粉末状の樹脂とレーザーを使って造形する機種を発表した。またアーク溶接の技術を使った金属3DプリンターをMUTOHホールディングスが発売するなど、大企業の活発な動きが見て取れる。

    3Dプリンター業界の今後をチェック 

    3Dプリンターの出荷台数:企業利用での増加が続く 

     2015年の国内3Dプリンター本体出荷台数は前年と比べマイナス20.2%と大幅に減ったが、企業利用は増加を続けており、総売上額は4.4%増の345億円となっている。

    新規参入の増加で3Dプリンターの競争は激化へ 

     2015年から2020年の総売上額年間平均成長率は15.3%、2020年は702億円と予測されている。  3Dプリンターが普及した背景としては、プリントに必要とされる3つの技術(FDM・光造形法・レーザ焼結法)の特許が切れて新規参入企業が増えたこと、3Dプリンター本体の急速な低価格化が挙げられる。

     現在では、依然として企業での利用目的が圧倒的なシェアを占めているが、さらなる低価格化と活用例が広がることで一般向け3Dプリンターの普及も期待されるところだ。

     3Dプリンティング技術を用いた製造工程の普及やビジネスモデルの確立は、国内の産業・市場構造に当たらな変化を生むと注目されている。また、3Dプリンターの普及によって、関連サービスや造形材料の売上額も継続的に増加するだろう。

    3Dプリンターの市場動向まとめ

    • 世界的に、ストラタシス社と3Dシステムズの2社による市場牽引が続く
    • 日本国内でも、リコーを筆頭に市場参入が相次ぐ。リコーは2015年に自社製プリンターをリリースした
    • 一般向け3Dプリンターも低価格化が進んでいるものの、依然として産業用での需要が圧倒的に高い。2016年現在、3Dプリンターの使用用途の6割を試作品の造形が占めている。(矢野経済研究所調べ)
    • 業界規模:51億ドル(2015年、米調査会社ウォーラーズ・アソシエイツ)

    3Dプリンターのさまざまな活用例

    活用例①:医療分野

     医療分野への活用は、3Dプリンターが最も得意としている分野だ。医療機器は、患者一人ひとりに合わせた設計が求められるが、3Dプリンターがあれば試作品の製作も容易になり、製造の効率化と精度の向上が期待できる。

     治具やギプス、義手や義足から歯科矯正の器具、人工心臓、ウェアラブル器具など、3Dプリンターはすでに幅広い用途で活用されている。とくに歯科矯正では、針金を使わない矯正への取り組みが積極的に行われている。

    活用例②:建築分野

     建築分野では、設計を中心に3Dプリンターが積極的に取り入れられいる。建築模型が3Dプリンターで簡単に作成できるため、作業の効率化だけでなく、CADによって細かい部分の表現もしやすくなることがメリットである。

     建築用の3Dプリンターも存在しており、現在では本物の家まで建てられるようになっている。アメリカのアピスコー社は、世界で初めて移動建築用の3Dプリンターを開発し、わずか24時間で家を1軒建てることに成功した。ウクライナのスタートアップ「PassivDom」という会社も小さな家を24時間で建てている。いずれの会社も24時間という短時間で建てられるだけでなく、建築費用も数百万円程度に抑えている。

    活用例③:モータースポーツ

     F1マシンに必要なパーツの製作にも3Dプリンターが活用されるようになった。日本のホンダとともにF1に参戦している名門チーム「マクラーレン」は、2017年1月に3Dプリンターの大手であるストラタシス社とパートナーシップを締結した。3Dプリンターを活用してマシンパーツの開発力や品質を上げ、競争力の向上へとつなげる狙いだ。

     F1の2017年シーズンから、マクラーレンのマシンには3Dプリンターで作られたパーツがいくつか使用されている。モータースポーツだけでなく、アディダスやニューバランスなどの有名スポーツ企業が「3Dプリントシューズ」の開発にも乗り出している。

    活用例④:食品

     3Dプリンターの急速な進歩がわかる傾向の一つに、食品分野への活用が挙げられる。もはや食品サンプルを作るだけでなく、食品そのものが3Dプリンターで作れるようになったのだ。3D System社の3Dプリンター「ChefJet」は、さまざまな形や色の砂糖菓子を作ることが出来る。

     また、宇宙食への活用も進んでおり、米Systems and Materials Research社に対してNASAが宇宙食用3Dプリンターの開発を支援している。同社は宇宙食用のピザを3Dプリンターで開発中のようだ。

    活用例⑦:フィギュア

     3Dプリンターのフィギュアへの活用は、プリントサービスとしてさまざまな例がある。近年ではアニメキャラクターだけでなく、自分自身の再現やペットのフィギュアを製作するサービスが増えている。ソニーミュジックも新規事業として「3Dプリント・フィギュア」を展開中だ。

     また、一般向けの3Dプリンターが低価格化していることから、個人の趣味でフィギュアやプラモデルなどをCADで作成し、3Dプリンターで印刷して作る例も増えている。

    3Dプリンター業界の注目ワードをチェック

    キーワード①:ラピッドプロトタイピング

     ラピットプロトタイピング(RP)とは、3次元CADデータを用いて、機械加工をすることなく一層ずつ積層しながら立体造形物を生成することを指す。3DCADシステム、3Dプリンター普及、また製造に必要な素材の種類が増えたことによりラピッドプロトタイピングが活用できる分野が拡大された。

     現在、製造業において「製品の開発から出荷までの短縮」「安価で迅速な生産」が命題となっている。ラピッドプロトタイピングがこれらの改善に大きく寄与するとされている。

    キーワード②:ロボティクス

     ロボティクスとは工学の一分野であり、制御工学を中心に、ロボットの設計・製作および運転に関する研究を行う領域のことを指す。

     ロボティクスにはいくつかの分類があり、掃除ロボットや人型ロボットなど、まとまったは形があるものは「ビジブル」。センサー、空調制御など、環境に対しロボット技術を活用するものは「アンコンシャス」。仮想的なロボットであり、ユーザーがアバターなどを通じて認識、サービスを教授するタイプは「バーチャル」と呼ばれる。

    最後に

     3Dプリンターは、企業利用においてはさまざなな分野で活用され、製造業やメーカーなど、「ものづくり」に携わるすべての分野で必須の技術となっていくだろう。今後は一般層にどのように普及するかが求められており、玩具や模型などが好きなマニアや若い年齢層への浸透も期待できる業界だといえる。