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3分でわかる転職業界研究  「動画配信サービス」編 アイキャッチ画像

    2017年04月28日 更新

    3分でわかる転職業界研究 「動画配信サービス」編

     転職活動を成功させるためには、志望している業界・職種に関する知識を深めることが重要である。また、面接に臨む上で関連業種の最新動向や話題のニュースを知っておくことは必須だといえるだろう。 今回は、右肩上がりの市場成長を見せている「動画配信サービス」について紹介する。

    目次

    • 動画配信サービスの基礎情報
    • 動画配信サービス業界の最新動向
    • 動画配信サービス業界の注目ワードをチェック

    動画配信サービスの基礎情報

     動画配信サービスとは、アプリやインターネットを介して動画配信を行なうサービスのことを指す。無料の動画配信サービスとしては、広告収入などで運営しているYouTubeやニコニコ動画が有名だが、近年では有料の動画配信サービスが市場での存在感を強めている。有料動画配信サービスは、TVOD(都度課金型配信)と、SVOD(定額制配信)の2つに分類される。
     
     TVODは、「ペイパービュー(PPV)方式」とも呼ばれ、1コンテンツ、1ジャンルへの課金に対し動画を配信する手法であり、定額制サービスと比べて最新の映画やドラマがより早く配信されるといった特徴を持つ。TVODは動画配信サービスにおける代表的は配信方法で、日本では1990年代から「スカパー!」が主に行っており、近年では「U-NEXT」や「Amazon プライムビデオ」など、下記で紹介するSVODとの併用を行うサービスが増えている。
     
     SVODは期間定額制で動画を配信する手法で、サービス内にあるコンテンツが決められた一定期間見放題になるものだ。現在、SVODは動画配信サービスの主流になりつつあり、「Netflix」や「Hulu」などがこの配信方法を採用している。

     ICT総研によれば、2016年末の有料動画配信サービスの利用者数はおよそ1,160万人(推測)に上り、2015年末の980万人に比べても大幅な増加といえる。とくに、全体の3分の2を占めるSVODの利用者数は640万人(2015年末)から890万人(2016年末)、さらに2017年には1,150万人に増加すると予想されているため、今後もさらなる成長が見込まれる。一方で、TVODの利用者数はやや減少傾向だ。

    動画配信サービスの最新動向

    4年で2倍近い急成長を遂げる動画配信サービス市場

     野村総合研究所によれば、2015年の動画配信サービスの市場規模は1,531億円であった。この数字は2011年の市場規模(799億円)の2倍近くにも上り、わずか4年で2倍近くの急成長を遂げている市場であることがわかる。

     2012年以降、動画配信サービスの市場規模は毎年100〜200億円程度と右肩上がりの成長を見せており、2019年度に2,000億円超え、2022年度には2,188億円の成長になると予測されている。

    動画配信サービスが好調の背景とは

     動画配信サービスが急成長を遂げている背景には、スマートフォンを始めとして「動画の視聴環境が整ってきたこと」にある。

     ICT総研が2015年9月に実施したWebアンケート調査では、若い世代ほど動画をスマートフォンで視聴するという結果が出た。また、視聴デバイスを年代別に見ると、スマートフォンは10〜20代のユーザー層で67%、50代のユーザーは37%と少なく、逆にパソコンでの視聴が75%と高かった。今後、高年齢層におけるスマートフォンの所有率が高まることから、スマートフォンによる動画視聴の割合はさらに増える見込みがあるといえるだろう。

     また、「Chrome Cast」「Fire TV Stick」「Apple TV」など、テレビに繋いで大画面で動画を視聴できるガジェットが好調なことも利用者数増加の一助となっている。

     動画コンテンツのユーザーは「自分に適したコンテンツ利用」を目的として動画配信事業者を選択するため、上記のような視聴環境の変遷に加え、いかに配信コンテンツを数多く揃えるかが利用者数の増加を左右するだろう。

    動画配信サービス業界の今後をチェック

    • 野村総合研究所は、「2020年に国内動画配信市場が2000億円を超える」と予想
    • 2016年4月にカドカワが動画を中心とした「N高等学校」を開設するなど、動画配信の用途が広がりを見せている
    • 国内動画配信市場は今後も拡大が見込まれており、コンテンツの充実や独自機能による差別化が中長期的な戦略の鍵となる
    • 業界規模:1,531億円(2015年度、野村総合研究所)
    • 定額制動画配信サービスのシェア(ICT総研調べ)
      1位:Amazon プライムビデオ 2位:Hulu 3位:GYAO!

    動画配信サービス業界の注目ワードをチェック

    キーワード①:縦長動画

     縦長動画とは、スマートフォン視聴を想定して制作された縦に長い動画のことを指す。動画のアスペクト比はTVのハイビジョンと同じ16:9の横型動画が主流であったため、スマートフォンで動画を見る際は画面を横に倒す必要があったが、縦型動画はスマートフォンの画面に最適化されている。

     縦長動画の普及は、スマートフォンにおける動画の視聴環境が整ったことが要因といえるだろう。「YouTube」や「FaceBook」など、視聴環境の変化に対応して縦長サイズの動画に対応するSNSやアプリが増えており、動画視聴フォーマットは縦型が主流になりつつある。

    キーワード②:動画SNS

     動画SNSとは、動画コンテンツを配信・投稿するSNSのことを指す。従来、SNSではテキスト投稿がベースとなっていたが、「FaceBook」が「Buzz Feed」や「New York Times」など大手メディア企業と連携したように、動画投稿に注力するSNSが増加傾向にある。再生回数や視聴時間、広告素材としての認知効果など、動画ならではの効果が期待されている。

     Twitterでは動画投稿のエンゲージメントが高く、動画ツイートの割合が日々増加している。2016年にはそれまで30秒だった最長秒数が文字数と同じ140秒に拡大した。「Instagram」でも、動画の保存や秒数の拡大など、動画投稿がフィードに流れるのを活発化させる動きが目立っている。大手SNSが動画コンテンツの機能を拡充する動きを取っているが、先進的なサービスは流行り廃りの移り変わりが激しいため、今後の動向に注目したい。

    キーワード③:動画メディア

      Webメディアの集客において、ビジュアルインパクトのある動画コンテンツはSNS上で拡散されやすい。こうした傾向を受け、動画が持つ広告機能に対しての需要が高まっている。スマートフォンの普及や通信速度の向上など、通信環境の向上も動画メディアの興隆に寄与しているといえるだろう。
      
      動画メディアと連携して情報提供サービスを開始するテレビ局が出てくるなど、メディア市場における「動画」の在り方や用途が多様化している。

    キーワード④:ライブ動画

     ライブ動画とは、撮影した動画などをその場で配信する、いわゆる「生放送」の形式である。通常の動画配信と比べてより視聴者参加型のコンテンツであることが特徴だ。

     「U-STREAM」を中心に、「ツイキャス」で有名な「TwitCasting」、「ニコニコ生放送」「LINE LIVE」などが台頭している。これらの普及によって、記者会見などの生中継や選挙時の政見放送や党首討論などがインターネット上で見られるようにもなった。

     近年では、「Twitter」や「YouTube」でもライブ配信が可能になるなど、SNSを通じて気軽にライブ配信を楽しめるようになった。ライブ配信を想定して作られた撮影用機材も販売されている。

    キーワード⑤:インターネットテレビ

     2016年にサービスを開始したサイバーエージェントの「Abema TV」は、インターネット上の回線を通じてテレビ放送を行うサービスとして話題となった。テレビ放送と同じようにさまざまなチャンネルがあり、ニュースやアニメだけでなく釣りや麻雀など、趣味系に特化したチャンネルを無料で観られることが特徴である。

     テレビ局各社もインターネット上の動画配信サービスの展開に乗り出している。各社が持つ有料のオンデマンドサービス(見逃し配信)の他、在京の民放5社(日本テレビ放送網・テレビ朝日・TBS・テレビ東京・フジテレビ)が、合同で広告付きの番組動画を無料配信する「TVer」を2016年10月に開始させている。

     2016年夏には「DAZN」が日本国内で展開され、定額制でスポーツ中継を行うサービスとして話題になった。6月に日本バレーボールリーグ機構とV・プレミアリーグ・チャレンジリーグの試合中継、7月にはJリーグの放映権を獲得しており、JリーグやVリーグを始めF1やMLB(メジャーリーグ)、NBA(アメリカ・プロバスケットボールリーグ)など有名なカテゴリの中継を担うことで一躍注目を浴びている。

    最後に

     動画配信サービス業界は急成長を見せている市場ということもあり、新規参入も多く競争が激しい。そのため、新しいサービスのリリース頻度や流行の移り変わりが他のコンテンツと比べて速いといえる。

     スマートフォンやパソコン、タブレットを普段から利用していれば、動画に触れる機会も非常に多くなっている。動向を常にチェックするのはもちろん、日頃の情報収集を通じて新しい動画配信サービスのあり方を見つけていくことで、流れをすばやくキャッチすることができるだろう。