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    2017年05月11日 更新

    知っておくべきベストな育休の取り方とは:給与の計算法・退職の流れを紹介

     共働きが増えているといわれている近年、「育休」の取得を検討している人も多いだろう。働きながら育児の両立を目指す上で、育休は知っておきたい大切な制度である。今回は、そんな育休の取り方や金額、また退職の場合の流れなどについて解説する。

    目次

    • そもそも育休制度とは
    • 育休の期間と延長方法
    • 育休中に支給される育児休業給付金
    • 育休後の退職について
    • 育休の期間、育休中の給料や保険料は?

    そもそも育休制度とは

    育児をする労働者のための休業のこと

     育休は、育児による経済的負担・時間的負担を減らす制度である。「育休」は「育児休業法」という法律で定められた制度であり、子どもを育てる労働者が取得できる。条件に沿えば育児休業給付金を受け取ることができ、理由によっては育休期間を延長することも可能である。

    女性だけでなく男性も取得できる育休

     育児休業とは、子どもを養育していく労働者が取得することのできる休業のことを指す。1991年に制定された育児・介護休業法に基づいており、国による正式な制度となっている。育児休業は取得の条件を満たしていれば、自分で申し出ることにより取得が可能だ。法律で定められているため、たとえ会社の規定に育児休業についての記載がないとしても休むことができる。

     育休は子どもを養育する労働者が対象となっているため、女性だけでなく男性も取得することができる。実際に、男性が育児をする環境作りに力を入れる企業は増加傾向にあり、育休は男女ともに身近な制度になっているといえるだろう。

     また、子どもを世話するができる家族と同居している場合や、子どもが養子の場合であっても育児休業を取得することは可能だ。ただし、育休は一人の子どもにつき一度しか取得することができないため、取得する期間などについては注意が必要だ。

    知っておきたい育休の基本

    • 子どもを養育していく労働者が取得できる休業
    • 希望者自身の申し出により取得することが可能
    • 一人の子どもにつき一度のみの取得

    育休取得のための条件

     育児休暇を取得することができるのは、基本的に常用雇用で働いている人である。主に、正社員の労働者や長期にわたり同じ会社で働いている労働者が対象だ。そのため、短期の契約で仕事をしている派遣社員や契約社員、パートタイム労働者などは、対象外となることが多い。育休は、正社員であればほとんどの場合に取得することができるが、正社員であっても、休暇中に労働契約が切れる場合は対象から外れることになる。

     労働契約の期間に規定がある契約社員や派遣社員として働く場合については、条件によっては育休を取得できることがある。同じ会社内で、同じ雇用者に雇われている期間が1年以上あり、育児休暇が終了する日を超えて労働契約が続くような場合であれば、育休取得の対象となるのだ。ただし、勤続日数が1年未満の場合や日雇いの場合には、育休は取得することはできないことになる。

     ただ、家族の中に自分以外に育児に専念できる人がいて、労働者本人に休暇の必要がない場合は、上記に該当しても育児休暇の取得はできない。つまり、女性側が働かずに育児を行う場合、男性が育児休暇を取る事はできないことが多い。

    正社員以外でも育休を取得できる条件

    • 現在の職場に1年以上勤務している人
    • 1週間の労働日数が3日以上である人
    • 子供が1歳の誕生日を迎えた後も、引き続き勤務する見込みがある人

    育休の申請方法

     育休の取得を希望する際は、休業希望日の1ヶ月前までに職場に申し出る必要がある。仕事を残して迷惑をかけてしまわないためには、育児休暇の取得を希望していることについて会社の担当者に報告するといい。

     育休を取得する際は、育児休業開始日と休業終了日を書類へ記載する必要がある。しかし、出産が予定日よりも遅くなったり、早まったりすることもあるだろう。その場合は育児休業の開始日と終了日が変わるが、出産後に「育児休業対象児出生届」を提出することで育休期間を調整するが可能だ。

      申請のために必要な書類は所属する会社によって異なるため、どのような書類が必要かどうか職場の担当者に確認しておく必要がある。

    育休の期間と延長方法

    基本的には「子どもが1歳になる前日」まで

     育児休業の取得期間は基本的に「子どもが1歳になる前日まで」となっている。女性の場合であれば、産後休業(出産日の翌日から8週間)終了日の翌日から、男性の場合は子どもが生まれた日から取得が可能だ。場合によっては育児休業期間を延長する事もできるため、仕事の状況や保育園などへの入所事情などを踏まえ、自身の環境に合わせて対応する事が大切である。まずは、育休を取得することができる期間と、延長方法について紹介していきたい。

    育休取得の期間はいつから?

     一般的な育休取得の期間は、出産から8週間後の産後休業終了日の翌日から、子どもが1歳になる誕生日の前日までである。しかしこれは基本であり、状況によっては延長する事も可能だ。例えば、職場復帰後に子どもの面倒を見る人がいなかったり、幼稚園などの預けられる施設に入れなかった場合などは、育休を1歳6ヶ月まで延長することができる。その際、育休開始予定日の2週間前までに申し出なければならないため、注意が必要だ。

     また、育児休暇の対象は育児をする労働者である。そのため、男女ともに取得することが可能であり、夫婦2人で半年ずつ、計1年取得するということもできる。女性だけでなく男性にも育児をしてほしいという場合は、金銭面に注意しつつ、このような形にしてもいいだろう。

    パパママ育休プラス制度の利用

     パパママ育休プラス制度とは、「夫婦が同時に育休を取ったり交代で取得することで、1歳2ヶ月まで育休を延長できる制度」である。この期間内は育児休業給付金が支給されるため、制度をうまく活用していただきたい。

     パパまま育休プラス制度を利用するためには、次の条件のどちらかを満たしていることが必がある。

    パパママ育休プラス制度で育休を延長するための条件

    • 父親の育児休業開始日が、母親の育児休業開始日以降であること
    • 父親の育児休業開始日が、子どもの1歳の誕生日よりも前であること

    事情があれば育休を延長できる

     また、パパママ育休プラス制度を利用しなくとも、育休を延長しなければならない何らかの事情があれば延長することができる。例えば、保育園へ入所できない場合や、やむをえず子どもの養育が困難になった場合などだ。これらの事情がある際は正式に育休を延長することが可能なため、なにかあっても慌てず、育休延長を検討していただきたい。

    こんな事情があれば育休を延長できる!

    • 保育所への入所を希望・申し込みをしても入所できない場合
    • 配偶者のやむを得ない事情により、子どもの養育が困難になった場合
     このように、育児休業給付金は一定の要件を満たした場合、最長で1年6カ月まで給付期間を延長することができる。育休延長をする場合は、市区町村が発行する不承諾通知や保留通知、入所申込書の写しなどの書類を用意する必要がある。

     この際、保育園に入所できないケースであっても、自分で申込を行わなかったり、無認可保育所へ申し込んだり、入所希望日が子どもの誕生日の翌日以降になっている場合は延長の対象外となる。育休延長を考えている人は条件に注意することを心がけよう。

    育休中に支給される育児休業給付金

    育休の期間内に雇用保険から給付金をもらえる制度

     育休の期間内は会社から給料がもらえないため、子育てをきちんとやっていけるかどうか、金銭面で心配な人もいるだろう。子どもが一人増える育児には、食費や生活費などさまざまな費用がかかり、配偶者だけの給与では生活が厳しくなる恐れもある。

     そんなとき、育児をする労働者のために支給される手当が育児休業給付金である。子育てのために仕事を休まなければならない労働者の経済的負担を軽減するための制度だ。受け取れる期間やその方法について、ここでは紹介していきたい。

    育児休業給付金をもらうための条件

     育児休業給付金とは、育休の期間内に雇用保険から給付金をもらえる制度のことを指す。育児休業給付金を受け取るには、育児をする労働者であることに加え、雇用保険に加入している必要がある。他にも育休開始前の2年間、会社で継続的に働いており、育休後は職場に復帰し勤務する意思がなければならない。また、育児休業給付金は、育休中に給料がもらえない状況を救済する制度のため、育休中に会社から給料を受け取っていると支給の対象外となる。

    育児休業給付金の支給に必要な条件

    • 雇用保険に加入していること
    • 育休開始前の2年間、月に11日以上勤務していること
    • 育休中に会社から月収の8割以上の給料を支給されていないこと
    • 子どもが1歳の誕生日を迎えた後も、復職し勤務する予定があること

    育児休業給付金の支給期間

     育児休業給付金は、基本的に「産後休暇終了の翌日から子どもの1歳の誕生日の前日」まで支給される。また、育休期間を延長した場合は育児休業給付金も延長して支給されることとなる。

    育児休業給付金の計算方法

     育児休業給付金は、育休を開始したときの賃金日額から算出していく。育休開始の期間に合わせた計算方式となっており、自身の状態に合わせて計算してみるといい。育児休業給付金をあらかじめ把握していくことで、金銭面での育児の予定を立てられるだろう。

     計算式は、育休開始から180日以内であれば「育休開始時賃金日額×支給日数の67%」、育休開始から6ヶ月経過後は「育休開始時賃金日額×支給日数の50%」となっている。

      また、この計算であれば収入が高額であればあるほど支給額も高額になっていくことになるが、支給額には上限も定められている。育休開始から180日以内は285.621円、6ヶ月経過後は213,150円などと上限が決まっているため、もらえる額には限界があることを理解しておこう。

    育児休業給付金の支給額

    • 育休開始から180日以内:育休開始時賃金日額×支給日数の67%
    • 育休開始から6ヶ月経過後:育休開始時賃金日額×支給日数の50%
    • 育休開始から180日以内の支給額の上限は285,621円
    • 育休開始から6ヶ月経過後の支給額の上限は213,150円

    給付のための手続きと必要な書類

     育児休業給付金の手続きは「会社が本人に代わって行う場合」と「書類を会社が用意して提出などの手続きは本人が行う場合」がある。

     どちらのケースであっても、まずは産休に入る前に「育児休業を取得する期間」を決める必要がある。育休を取る旨を会社に伝えた後は、「育児休業基本給付金の申請書」と「受給資格確認票」の2つの申請用紙を受け取り、必要事項を記載して提出をする。育児休業基本給付金の申請書と受給資格確認票は、育児休業1ヶ月前までに会社に提出する義務があるため注意が必要だ。

     次にそれらの申請書を会社か本人がハローワークに提出する。ハローワークへの必要書類の提出は、育休開始日の翌日から10日以内と決まっているため、期限に余裕をもって提出しよう。育児休業給付金は2ヶ月ごとに追加申請しなければならないため、申請を自分で行う場合は期限に気をつけていただきたい。

     育児休業給付金の手続きを企業が代行する場合は、育児の事実を確認できる書類を会社に提出しなければならない。そのため、母子健康手帳の出生届出済証明に関するページなどは事前にコピーしておくとスムーズだ。

    育児休業給付金給付の必要書類

    • 育児休業基本給付金の申請書
    • 受給資格確認票
    • 母子健康手帳のコピー(会社に提出)
     育児休暇を取得する際は、1カ月以上前に会社に申請しておくのがベストだ。出産日が当初考えていた予定日とずれる可能性もあるため、可能な限り早めに申請しておくといい。休暇の間に会社の仕事に迷惑がかからないよう、事前準備をすることもできるだろう。

    育児休業給付金の振込日

     育児休業給付金は、ハローワークに申請をすることで受け取ることができる。初回の手続きには申請期限があり、「育児休業を開始した日から4ヶ月を経過する月の末日まで」に必要書類を提出する必要がある。提出期限を経過してしまうと育児休業給付金は支給されなくなってしまうので期限を守るよう心だけていただきたい。

     2回目以降の手続きは2ヶ月に1回の申請となっている。育児休業給付金は基本的に、隔月ごとに2ヶ月分まとめて振り込まれる。そのため、2回目以降は手続きが遅れてしまうと、その分ハローワークからの振込も遅れてしまう。育児休業給付金の振込日自体に明確な特定日はなく、○月◯日~○月◯日までの間に振り込まれる、といった形だ。そのため、提出などの手続きはできるだけ早めに済ませてしまうのがいいだろう。

    育休後の退職への流れ

    退職以前の給付金は返金しなくてよい

     子どもの誕生を機に仕事を辞める人は多いのではないだろうか。育児と仕事の両立が厳しかったり、家庭の事情などもあるだろう。育児休業は本来、育休後に職場へ復帰する事が前提の制度だが、復帰せずにそのまま退職していくケースも数多くある。

     育児休業給付金の受給中に退職した際、退職以前に受け取った給付金については返金の必要はなく、退職日が属する期間の1つ前の支給対象期間までは給付金を受け取ることができる。退職日が1日違うだけで、最大1ヶ月分の金額差が出てしまうため、退職日を決める際は慎重に検討することが大切だ。

    退職の場合の育児休業給付金

    • 退職日の属する期間の1つ前の支給対象期間まで支給
    • 育児休業期間と育児休業給付は1日ずれている
    • 育児休業給付の支給単位期間は1ヶ月毎、振込は2ヶ月毎に行われる

    会社への対応の仕方

     退職を決めた際、はじめに直属の上司に退職する旨を伝えるといい。育休は「職場復帰」を前提としているため、復職せず退職するとなると、欠員の手配など他の社員にも影響が生まれてしまうだろう。そのため、退育休後の退職については、できる限り上司に早めに知らせる必要があるといえる。

     会社の規定にもあると思うが、育児休業は「休業後も引き続き勤務する意思のある者」が対象となっている。育児休業を利用すれば、その間は社会保険料が免除となり、育児休業給付金も支給される。そのため、正式な退職願いは適切な時期を考える必要があるだろう。

    退職後、失業保険はもらえるの?

     失業保険は、基本的には失業している人が次の仕事を見つけるまでの期間、その人の生活を維持できるようにするという制度だ。失業保険を受け取るには次の職を探していることが前提となるため、退職した後に職を探す意思がない場合は失業保険支給の対象外となる。

     育休を取得し、その後退職するという場合では、一般的に「自己都合退職」という扱いになる。自己都合退職をした後に休職する場合は給付の制限があり、失業後に求職の申込みをしても、基本手当の受け取りまでに時間がかかってしまう。具体的には、手続きをしてから給付制限の3ヶ月と2週間の、約3ヶ月半経ってからの受け取りとなる。

     このように、「育休終了後に退職して他の仕事を探す」のであれば失業保険は受け取れる。しかし、育児に専念するために退職する場合は失業保険はもらえないた注意が必要だ。

    失業保険について

    • 失業保険は、失業者が次の仕事を見つけるまでの期間の生活を維持する制度
    • 「自己都合退職」では失業保険支給の対象外となる
    • 退職後に他の仕事を探す場合は受け取れることができる

    育休後、退職か復職か

     育児休業が終わりに近づくと、当初の予定通り復職するか、育児に専念するために退職するかを悩む人も多いだろう。育休を取得することで子育ての大変さを感じ、退職を考えるのも自然である。

     実際に、平成24年度の雇用均等基本調査によると、育休を取得後に復職せずに退職した人の割合は全体の約10%であった。保育園に入所できないなどの事情や、子どもの体調、母親自身の環境などが理由として挙げられる。

     育児休業は復職することを前提に作られた制度ではあるが、先述の通り、育児休業給付金を返金する必要はない。しかし、復職するものとして対応してくれた会社に迷惑をかけないよう、退職の手続きはスムーズに行うべきである。

    育休の期間、育休中の給料や保険料は?

    育休中の有給休暇

     育休中は就労義務がない期間とみなされるため、基本的には有給休暇を使うことはできない。しかし、育休は出勤率の上では勤務となっているため、育休を取得した後でも次の有給休暇は通常通り取得することが可能だ。育休後復帰した後の子育て期間、子どもの急な用事などで有給休暇を活用していきたい。

    育休中の社会保険料

     育休中は申請をすることで、健康保険料や厚生年金保険などの社会保険料を免除することができる保険料は日割りで支払うことができないため、育休開始の月から終了する月の前月までの間、月額の保険料が免除されるのだ。免除を受けるには、会社や個人で日本年金機構に「育児休業取得者申出書」を提出する必要がある。

    育休中の給料と保険料

     育児休業中、育児休業給付金によって雇用保険から給付金が支給される仕組みがある。また、育児休業給付金を受け取っている期間は、健康保険や厚生年金保険などは被保険者のま保険料を免除することができる。

    最後に

     育児休業給付金の支給期間は1年が上限となっているが、保育園に入所できないなどの事情がある場合は1年6カ月まで延長することが可能だ。自分自身の状況に合わせて選択し、適切な手続きを行おう。育児休業は、働きながら育児を行う人にとって、両立を手助けする大切な制度であるため、ぜひとも活用していただきたい。