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「Uターン・Iターン転職」のメリット・デメリットを解説 アイキャッチ画像

    2017年05月22日 更新

    「Uターン・Iターン転職」のメリット・デメリットを解説

     転職活動のタイミングで地方に移り住むUターン・Iターン転職。とくに地方出身者で転職を考えている場合、地元の企業に転職するというのは選択肢の1つとして考えるのではないか。Uターン・Iターン転職を行う場合、都心での生活と比較してライフスタイルが大きく変わる場合もある。各々のメリット・デメリットを把握することで、慎重に転職活動を検討しよう。

    目次

    • Uターン・Iターン転職とは
    • Uターン・Iターン転職のメリット、デメリット
    • Uターン・Iターン転職者がチェックするべきポイント
    • Uターン・Iターン転職者に役立つ情報サイト
    • Uターン・Iターン転職者におすすめの転職サイト・エージェント

    Uターン・Iターン転職とは

    Uターンとは地方で生まれ育ち、都会で進学や就職をした後に、地方に戻り転職すること

     「Uターン就職」とは都会への進学の後に、生まれ育った土地に戻って就職するを指す。また、「Uターン転職」は都会への進学、就職の後に故郷の企業に転職することを指す。学校を卒業するまでは田舎で過ごし、都会で就職をしたものの、地元の企業へと転職する場合もUターン転職に含まれる。

     Uターン転職をする理由としては、「地方(出身地)で社会貢献をしたい」「地元の慣れ親しんだ土地で生活がしたい」「地元の両親の介護が必要」などが例として挙げられる。

    Iターンとは都会で生まれ育ち、就職を決めた人が地方に移住し、転職すること

     「Iターン就職」とは、都会で生まれ育ちそのまま進学した人が、田舎での就職を決めて移住することを指す。また、「Iターン転職」とは都会で生まれ育ち、そのまま進学と就職を終えた人が転職の際に地方の企業に就職することを指す。

     Iターン転職をする理由としては、「田舎での生活に対する憧れから」「地方ならではの働き方がしたい」といったものが挙げられる。長年都心部で生活してきた人にとって、地方でのゆとりある生活に魅力を感じるケースが多いのだろう。

    Uターン・Iターン歓迎の求人は増加傾向になっている

     地方活性化のために自治体が支援に乗り出し、地方の優良企業が優秀な人材を確保する動きが強まっている。そのため、近年Uターン・Iターン転職の求人は増加傾向にある。また、リクルートが運営するリクナビNEXTやインテリジェンスが運営するDODAなどの大手転職サイトでUターン・Iターンの特集が組まれるなど、求人の探しやすさもましている。

     一方で、Uターン・Iターンで転職活動を行った後に、「思い描いていた生活と違った……」とこれまでの生活とのギャップに苦しむ人がいるのも事実だ。ギャップの少ない転職活動を行うためには、地方に移住して働くことの具体的なメリット・デメリットを事前に把握しておくことが必要になる。

    Uターン・Iターン転職のメリットとデメリット

    Uターン・Iターンのメリット1: 地方自治体の各種支援を受けられる

     Uターン・Iターンという形で地方企業への転職をした場合には、移住先の地方自治体の支援が受けられる場合がある。住宅手当の支給や子育て支援などの取り組みを行っている自治体も多く、地方でゆとりのある子育てがしたいという思いから転職を決める人も多い。

    地方自治体の支援の一例

    • 【鳥取県 鳥取市】
      移住する目的で市内に住宅を購入、建築又改修する場合に限度額200万円を補助
    • 【大分県 豊後高田市】
      中学3年生までの児童を養育している人に対し、月1~1.5万円の児童手当を支給
     支援の内容は地方自治体によって異なるため、Uターン・Iターンを考えている地域の手当を事前に調べておく必要がある。国土交通省が各都道府県と自治体ごとの各種手当を掲載しているので、参考にしてみるといい。

    Uターン・Iターンのメリット2: 居住費が都会での生活と比較して安い

     都会での生活と比較し、居住費が安く抑えられるというのもUターン・Iターンで地方に移り住むことの大きなメリットといえる。東京都の平均家賃相場が7万934円なのに対し、同じ関東圏でも群馬県の平均家賃相場は4万6,800円となっており、2万4,000円程度の開きがある。家賃で浮いた金額を貯蓄に回したり、別の費用に充てたりといったことができるのも地方の暮らしならではの利点だといえるだろう。

     ただし、地方での生活は移動手段に車を利用することも多く、車の購入や維持費などのコストがかかる場合もある。あらかじめ、家賃だけでなく生活費全体の見積もりを立てておくことが望ましい。

    Uターン・Iターンのメリット3: 通勤時間の短縮・通勤ラッシュを回避できる

     Uターン・Iターン転職で地方に移り住むことによって、通勤時間の短縮に繋がる場合もある。東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県を対象にした調査によると、平均の通勤時間は片道58分となり、1日に2時間近く移動に費やしているという調査結果が見られた。一方、その他地域の平均通勤時間は片道30分程度と、通勤にかかる時間が比較的少ない。家賃が都心と比較して安いため、会社の近くの物件を借りられるのも地方暮らしの魅力である。

     また、都心ならではの通勤ラッシュから解放されるというのもUターン・Iターン転職の大きなメリットだ。東京近辺で生活している人にとって、毎日の通勤ラッシュは精神的にも肉体的にも負担のかかるものだろう。Uターン・Iターン転職で地方の企業に勤めることで毎日の通勤にかかる負担を軽減することができる。

    Uターン・Iターンのメリット4: 両親の近くで生活することができる

     Uターン転職の場合に限られるが、出身地で両親の近くで働けるため、子育てのサポートを受けることができる。特に夫婦が共働きの場合、子どもの迎えや食事を両親に頼むことで、仕事に集中して取り組めるようになるだろう。子どもにとっても一人きりで過ごす時間が減り、環境的も望ましいといえるだろう。

     また、両親が高齢化し健康面で不安がある場合にも、出身地に移り住んでいれば安心して面倒を見ることが可能だ。介護が必要になった場合や、緊急の際にも遠方の地まで足を運ぶ必要がなくため、両親の老後ついての心配を緩和することができる。

    Uターン・Iターン転職で地方に移り住むことのメリット

    • 地方自治体の支援が受けられる場合がある
    • 生活費が都会での生活と比較して安い
    • 通勤時間の短縮・通勤ラッシュを回避できる
    • 両親の近くで生活することができる

    Uターン・Iターンのデメリット1: 転職をする場合には給料が低下する場合もある

     Uターン・Iターン転職をする場合、都心で働いていた頃よりも年収が低下するケースも多い。厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると東京都の平均年収は383万円、それ以外の地域全体の平均年収は280万円となっている。
     
     家賃だけでみれば都心よりも金額は安いものの、年収が低下するために生活水準は変わらないという場合も多い。地方は生活費が安くすむというイメージだけで安易に転居するのではなく、事前に転職先の年収をベースに生活費の見積もりを立てることが必要だ。

    Uターン・Iターンのデメリット2: 求人数が少なく、希望の就業先が見つかりにくい

     人口が少ない地方は都心に比べて企業数が少なく、求人も少ない。大手転職サイトのUターン・Iターン特集により以前よりも見つけやすくはなったものの、まだまだ自分の希望を満たす求人が見つかりにくいのが現状だ。

     Uターン転職を考える場合、転職先の企業が見つからない状態で退職に踏み切り、実家で生活しながら求人を探すという方法もあるが、希望の仕事が見つからないこともあるため注意したい。「軽い気持ちで実家に帰ったが、やりたいことが見つからない……」といった事態に陥らないためにも、必ず希望の転職先の目処が立ってから退職手続きを行うようにしよう。

    Uターン・Iターンのデメリット3: 慣れない土地で違和感を感じる場合も

     Iターン転職をする場合には、これまで馴染みのなかった土地での生活を送ることになる。豊かな自然やゆとりのある生活を求めて移住を決める人は多いが、いざ移り住んでみたらイメージと違ったと嘆く人もいるため、事前の調査が必要だ。とくに地方には、その土地特有の文化や人間関係が根付いている場合もある。「都会の人間関係に疲れて田舎に移り住んだが、休日に地域の会合への参加が求められたりと人付き合いが多く、余計に気疲れしてしまった……」というような場合もあるため注意したい。

    Uターン・Iターン転職者がチェックするべきポイント

    求人が出るタイミングを逃さないようにすること

     前述の通り、地方企業の求人数は少ない。そのため、求人が出るタイミングを逃さないように注意したい。希望の求人があった場合にも募集人数が少ない場合はすぐに埋まってしまうため、気付いたらその都度申し込むようにしよう。

     求人の見つけ方としては、地方自治体のホームページや求人サイト・エージェントなどの利用がメインとなる。Uターン転職を考えている人は知人などにあたってみるのも可能性を広げるいい方法だ。少ない求人数の中で希望の求人を見つけ出すためにも、これらの手段を組み合わせて求人を探していこう。

    地域や会社の情報を調べ、必ず自分の目で確かめておくこと

     地方の会社の企業を調べるにあたっては、できる限り会社に足を運んで話を聞いてみることを推奨する。交通費はかかってしまうが、地方特有の企業文化や働いている社員の雰囲気について理解しておくことで、Uターン・Iターン転職をした後のギャップを減らすことができるだろう。

     また、自治体によっては体験移住制度を設けているところもある。移住を考えている土地での実際の暮らしを体験できるため、とくに地方に慣れていないIターン転職を考えている人は利用してみてほしい。体験移住制度を通して、その地域特有の文化や人間関係に触れることができるだろう。

    体験移住制度の例

    • 【群馬県 桐生市】
      一泊1,500〜2,000円で最長13日間のおためし暮らし住宅の利用が可能
    • 【岐阜県 高山市】
      田舎暮らしを体験できる施設を最短1週間から最長6カ月間、1日500円で利用可能。農業に関心のある人に対しては「就農体感ツアー」等を開催している。
     こちらも国土交通省が行っている各自治体が行っている支援のページから確認することができるので参考にしてほしい。

    Uターン・Iターン転職者に役立つ情報サイト

    国土交通省ふるさとサーチ

     地方自治体ごとのUターン・Iターンに関する情報がまとめられている総合情報サイト。ここから各都道府県の市町村が運営するUターン・Iターン向けの支援のページへと飛ぶことができる。

    JOIN(移住・交流支援機構)

     Uターン・Iターンを考えている人向けのポータルサイト。Uターン・Iターン経験者の体験談はこれから地方への移住を考える人にとって参考になること間違いなし。仕事情報や空き家情報も載っているのでここから求人を探すのもいいだろう。

    Uターン・Iターン転職者におすすめの転職サイト・エージェント

    リクナビNEXT 

    ・求人数が国内最多。充実したUターン・Iターン特集。
     
      リクルートが運営する国内最大級の求人数を誇る転職サイト。他の転職サイトと比較しても求人数が多いことが最大の特徴だ。UIターン転職者向けの特集サイトが組まれており、Uターン・Iターン経験者がいる企業や自宅で面接可能な企業、ワークライフバランス重視の企業など自分が重視する項目を選ぶことで、条件に沿った企業を紹介してくれる。

      「転職成功ノウハウ」では、Uターン・Iターン転職者向けの記事が充実。実際に地方企業に転職し、地方に移住した人の体験記はこれから転職を考える人にとって参考になること間違いなし。

    DODA(デューダ) 

    ・求人検索が豊富

      人材業界大手のインテリジェンスが運営する転職サイト。求人数ではリクナビNEXTに劣るものの、職種別での求人検索だけでなく大手企業の求人、企業の設立年度や、研修制度が整っている会社の求人など細かな条件で求人を検索できるのが特徴。

    ・満足度の高いエージェントサービス

      エージェントサービスの満足度が高く、登録することでキャリアアドバイザーが転職活動における作業・準備をサポートしてくれる。地方企業への転職活動を進めるのに不安のあるUターン・Iターン転職者は、転職エージェントを利用してみるのもいいだろう。 

    エン転職 

    ・社員からのクチコミ情報が豊富。地方企業の職場のイメージが掴める。 
     
      人材業界大手のエン・ジャパンが運営する転職サイト。「仕事を大切に、転職は慎重に。」というコンセプトで、求職者目線に立ったサービスを提供している。最大の特徴は、一つひとつの求人に対して担当者のコメントや実際に働く社員のクチコミが掲載されている点だ。地方企業の雰囲気を知り、ミスマッチを防ぎたいUターン・Iターン転職者におすすめしたい。

    リージョナルキャリア

    ・Uターン・Iターン転職専門の転職サイト

      Uターン・Iターンの転職にのみを専門にしている転職サイト。定期的に地方の転職の専門知識をもったキャリアアドバイザーとの個別面談会が開催されている。Uターン・Iターン歓迎の求人数も約1万件にのぼり、圧倒的な求人数を誇る。大手転職サイトと併用しながら利用するといい。

    終わりに

     これまで都心部で生活していた人がUターン・Iターンで地方企業へと転職する際には、ライフスタイルが大きく変わる。Uターン・Iターンを検討している人は、まずはそれぞれのメリット・デメリットを把握しておくことが必要だ。その上で金銭面の変化の見積もりや、移住先の環境が自分にとってマッチするかを慎重に検討するようにしよう。